眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

卒業文集の書き方その②

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おはようございます。
昨日に引き続き、卒業文集の書き方です。今日は、イメージした夢を描き、具体的な行動を記す文章化について書きます。文章化する方法として、


エンパシーライティング・メソッド

を使用しました。エンパシーライティング・メソッドとは、中野巧さんが開発したライティングメソッドです。読み手を意識し、「共感」をベースとした伝わりやすい文章を書くツールです。6マスのフレームワークです。

  • マスを埋める
  • 付箋に書く
  • 付箋を並び替える
この3つのステップで、文章の全体が出来上がるというもの。

私自身、1年前にこのメソッドを学びました。初めて、3つの作業を終えた時、文章の全体像を掴むことができ、
「これで文章が書ける!」
という衝撃を受けました。今まで何となく、ダラダラと書いていた文章から脱却できるかもと思えたのです。

それ以来、自分が伝えたい文章を書く時は、エンパシーライティングを使用していますし、ちょっと長めの作文に子供が取り掛かる時は、エンパシーライティングを使うようにしています。

エンパシーライティングの最大のポイントは、
  • 読み手が文章を読んだ時に120%happyになっている状態を考えること
  • ポジティブだけでなく、ネガティブも踏まえて、考えること
です。ポジティブ⇔ネガティブの感情の幅が、文章の幅に繋がります。結果、伝わる文章になるわけです。


卒業文集の読み手は、2020年の自分。

この文集を読んで、120%happyの自分を
想像する、その時の自分の感情や取って欲しい行動を考える、じゃあーその為にはどんなことが文集に書かれている必要にがあるのかを付箋に書き出します。

次は、ネガティブな自分。その時の気持ち、どうしてネガティブになっているのか、そのネガティブ状態の自分を癒す言葉がけを付箋に書き出します。

子供達は、ポジティブな言葉がけよりもネガティブを癒す言葉がけが沢山出る傾向になるなぁとこの授業をする度に感じます。どこかで頑張っていることを認めて欲しいという気持ちが強いのかもしれません。

これで、6マスが埋まります。ここまでで、授業では50分くらいです。

この後、付箋を一度剥がして、マスの右上から左下に向かって曲線を描きます。
この曲線が文章の流れ。曲線の起伏に合わせて、文章が繋がるように付箋を並び替えます。並び替えた時に付箋が足りない場合は、追加するのもOK!でも並び替えた時点で、文章の雛形は完成です。


卒業文集では、文章を3部構成にしました。
  1. はじめ-夢の理由-
  2. なか-具体的行動-
  3. おわり-夢への決意/未来へのメッセージ
この流れになるように付箋を並び替えるように指示しました。

自由に書くことも大切ですが、やはり型をきちんと教えることが、まずは大事だと僕は考えています。

文章は、どの順番で伝えるかが大切!

型をきちんと示して、その中でまずはしっかり書けるようになる。そして、その型に違和感を感じるようになってから自分自身の型を見つけていけばいいと思います。

初めから、「はい、書きましょう」では、文章力のある子供はスラスラと書けますが、大半の子供は手が止まったまま。そして、字数を埋める為だけになってしまいます。

このエンパシーライティング・メソッドを使った作文指導での利点は、

子供の思考の跡が見える化する


ことです。原稿用紙に向かっている時に手が止まっている子供に指導する場合、この6マスを見れば、その子が書きたいこと、その流れが分かります。

「これを付け加えればいいよ」
「これとこれの順番変えれば?」

など、すぐにアドバイスすることができるようになりました。そして、イラストを書いたり、付箋に言葉を書いたりするので、子供達はこの6マスを作る作業を楽しみながら取り組んでいます。文章を書くことに抵抗が少なくなっていると思います。「文章を書くのが苦手」この意識を薄めることができるだけでも、大いに効果があると思います。大人になればなるほど、文章を書くのが苦手になりますよね(笑)

勿論、これで文章を書くことは可能ですが、さらに文章化しやすくするために、構成を練るワークをしました。それは、明日書きます。

今日も読んでいただきましてありがとうございます。

(追伸)写真は、この授業をした時の黒板です。イラストを使い、カラフルにすることで、楽しみが増すようにしています。

6分間文章術――想いを伝える教科書

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