「何のために実験する?」シリーズも今回が最後です。今日は、一昨日の研究授業について書きます。
4年生の理科。
単元は【金属の温度による変化】です。
正方形の金属板には、ろうを塗り、爪楊枝をろうで固定しています。
それをアルコールランプで熱して、爪楊枝が倒れた順番から金属の温まり方を考える実験です。
〈予想〉
写真のような形で意見が出ました。
グループで倒れる順番となぜそうなるのか理由を考えてもらいました。倒れる順番は、どのグループも同じでした。しかし、理由が幾つか出ました。
- 火に近い所から金属板が温まり、爪楊枝が倒れていくから
- 火の近くの空気が温まり、熱気で揺れて爪楊枝が倒れていくから
「空気が温まり」という意見が出たのは、恐らく前の単元で空気の温まりを学習したからだと考えられます。
予想の段階で幾つかの意見出たのが面白かったです。
〈実験〉
アルコールランプに火をつけることに、緊張しながらも、爪楊枝が倒れていく様子、ろうが溶けていく様子をしっかりと観察できていたように思えます。結果として、予想通り、爪楊枝が倒れました。
〈考察〉
①実験から金属板はどのように温まりましたか?矢印や線、言葉を使って表しましょう。
各グループにミニホワイトボードを渡し、金属板の温まった様子をイラストで表現させました。
出来上がったイメージは、黒板に貼ってもらい、全部のグループの考えが見えるようにしました。
どのグループも熱した所から広がるように線を書いていました。言葉としては、「扇形のように」と書いていました(端から熱したので)。
②実験から金属はどのように温まると言えますか?「金属は◯◯のようにあたたまる」という形で文章を作りましょう。
イメージで捉えた後は、言語化する作業を行いました。イメージの段階で「扇形のように」という言葉が出ていたので、扇形は使わず、別の表現を使うように指示しました。
すると、このような表現が出ました。
- 波のように広がる
- バームクーヘンのように広がる
面白いでしょ?子供の発想力はやはり素晴らしいもんです。
〈まとめ〉
金属は熱した部分から広がるように温まることをどのグループもきちんと掴むことができていました。最後にそういう温まり方を伝導というんだよと伝え、伝導様子よく分かる映像クリップを見せました。
実験という役割は、「予想(仮説)たてる→実験する→結果から考える」このサイクル。そして、新たな予想(仮説)をたて、実験する。科学の基本、いや物事を行うプロセスを学ぶには打ってつけだなと痛感しました。
自分自身、春から夏に学んだ要素を織り交ぜながら授業を行うことができて、非常に勉強になった研究授業になりました。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございます。