思考ツールの活用
本校では、英語教育に力を入れています。授業では、アメリカの小学生が使用している教科書を用いて授業がなされています。
この教科書は、優れものです。
小学校1年生で、動物の分類や月に関しての読み物があります。しかも、内容が濃い。日本であれば、小学5・6年生で学習する内容がさらっと書いてあります。
そして、問いが何よりいい!こんな問いです。
- 両生類とは虫類の違う所と似ている所は何でしょう?ベン図にまとめよう。
- この話の主題は何ですか。また、それを構成する要素は3つあげましょう。イメージマップにまとめよう。
文章から情報を読み取り、思考ツールを用いて整理していくことが当たり前のようになっています。日本の教科書では、あまり見られません。
国語の教科書では、考えを広げる手法として、マンダラチャートやイメージマップ、ベン図などが掲載されていますが、あくまで紹介。
日常的に、これらの思考ツールを活用して授業を展開する先生は、少数派です。
思考ツールを使えば、OK。
そうではなくて、手を挙げた子どもの意見を吸い上げて展開していく授業スタイルでは、お客さんになる子どもが出てきます。学年が上がれば、その数は増えていきます。
ちびまる子ちゃんのように、丸尾くんが正解を言って、展開していく授業。今の時代では、限界があるわけです。
日本の教科書の良さ
日本の教科書は、スモールステップで丁寧に記述されています。故に、知識を定着するには、最良の教材です。
読み物としては、最高です。自主学習するには、教科書を読み、内容を理解する。問題演習をして、知識の定着をはかる。これを繰り返せば、テストで点が取れるはずです。
分からない箇所があったら、振り返って教科書を読んでいけば、分かる仕組みになっています。
学んだことを繋げる
日本では、ベン図を初めて活用するのは、算数です。集合の問題を考える場面です。3年生の1学期には、まだ出てきません。
英語の授業で学んだので、他教科でも活用すれば理解も深まると思い、国語の授業で使ってみました。
『あらしの夜に』という物語文。
登場人物であるヤギとオオカミの違う所と共通する所をベン図でまとめました。
個人で書いて、友達と見せ合いっこして、クラスでひとつのベン図を作る流れで授業をしました。
付箋に書いて、発表する形式にしたので普段手を挙げにくい子も積極的に付箋に考えを書いて、貼ってくれました。
動きがあると、授業に活気が生まれますね。
まとめ
全員が黒板を向いて、ノートを書くだけの授業スタイルだけでは、限界を迎えていると思います。ちゃんと座って、ちゃんと話しを聞いて、ちゃんとノートを書く。これだけでは、持ちません。知識の伝達は、NHKが無料で濃い内容を10分でまとめて映像化してくれています。しかも、映像だから繰り返し見れます。
知識の伝達のみに留まる授業は、学校でする意味が薄れています。集団で学ぶ良さや意味を見出して、授業を創る工夫を教師をしていかなければ、いけませんよね。
教師が学び、学びの楽しさを子どもに伝える。
これが、これからの学校の使命だと思います。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。