年度末になりました。
どうしても気忙しくなる時期です。
読書のスピードも若干落ちています。
それでも、読む時間を確保して、インプット。
そして、読んだ本について書く、アウトプット。
こうすることで、自分の中に蓄積されると思っていますので、今回も紹介したいと思います。
今回、紹介する本は、明石要一さん『教えられること 教えられないこと』です。
この本で、僕が学んだことを3つ紹介します。
①質問の力を育てる
授業の中で、教師が発する言葉には3種類あると言われています。それは、発問・説明・指示です。
発問とは、問いを発する人が答えを知っている問いを意味します。反対に質問とは、問いを発する人が答えを知らない問いを意味します。
授業において、発問の役割は重要です。内容を深めていく過程において、どのような発問を投げかけるのか。ここに教師は、注力します。
著者も授業では、「①教師の質問はなるべく少なく。②選択肢のある発問を出す。③知覚語を多用する。」ことが大切であると述べています。
これからの時代、AIに負けない子供たちの育成が求められています。そこで、重要なのが、読解力を育成して、問いを作れるようになることなのです。質問力を鍛えるためにも、授業において良質な発問を投げかけて、疑問を持たせる。大人と子供の対話が大事であるということを著者は、語っていました。
②夢を持たせる教育
有名な話ですが、イチローは、卒業文集に「一番大きな夢は、プロ野球選手になることです。」と記しています。そのために、今自分がどれだけ練習をしているのか。そして、中高生の間にどんなことをするのか、具体的に書かれています。
一方、松坂大輔は、「見ることはできても叶わないのが夢」と書いており、夢と目標を明確に分けています。彼は、決して夢を持つことを否定しているのではなく、描いた夢を実現するためには、目標を立て、行動することが大切であると考えているのだと思います。
夢を持つから努力する。そして、達成する課題も浮かび上がってくる。
キャリア教育において、職業について考えたり、調べたりする時間は、学校の中でも生まれてきました。しかし、学校では、「夢=職業」の考え方が、強い部分があります。それよりも、もっと枠を広げて、「夢=自分が欲しいもの、やってみたこと」ととらえ直して、考えることをやっていくことが、求められているのだと思いました。
③係り活動
日直や当番は、決まった仕事を行うもの。しかし、係り活動は、子供の自由な発想で行うもの。
年度初めに係り活動を考えます。
子供たちからは、「〇〇係がしたい!」という声があがります。子供たちは、クラスのために何かしたいのです。教師は、極力口を出さないこと。強いて言えば、継続的に活動ができる仕組みを考える。例えば、定期的に活動報告会を行い、自分たちの係の仕事を振り返る機会を設けることです。
僕自身、もう一度この点を意識して、来年度クラス作りをしていきます。
まとめ
題名にあるように、「教えらること」と「教えられないこと」は、分けて考えるべきだなと改めて思います。人は、体験を通して、経験を得ます。この経験知は、やがて知恵となっていきます。
知識は、人から教えられ、与えられる。知恵は自ら経験しながら学びとり、身につけていく。
僕たち教師は、知識の伝達ではなく、学び方を伝達していく必要があります。自ら学び、体験を増やし、挑戦して経験知を増やしていく人を育てることが、求められる。この本を読んで、そう感じました。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。