「夢をかなえる」というフレーズに惹かれて、図書館で借りてみました。
著者は、伊藤真さんです。本屋さんにいけば、目にする司法試験関係の参考書を数多く執筆されている弁護士の方です。
「法律の専門家の書かれた読書術ってどんなものだろう?」
と思い、読んでみました。僕がこの本から得た3つのことを紹介します。
空き間の大切さ
伊藤さんは、自分の専門以外の人の本を積極的に読むことを推奨しています。それは、普段自分とあまり関係のない分野のことを知ることで、新たな発見や感動を得ることができるからです。ご自身のエピソードとして、新幹線に乗車するときに、駅のキオスクで脳科学者である茂木健一郎さんの書かれた『感動する脳』を衝動買いして、移動中に読んだことが紹介されていました。
茂木さんは、感動する脳を育てるためには心に「空白部分」をつくるといいと書かれていたそうです。伊藤さんは、この言葉と出会ったおかげで、夜中にふと空を見上げると、きれいな月を見ることができたと書かれていました。
人は空白を嫌うので、ついつい埋めてします。僕も、予定などが埋まっている方が好きです。何もないと、不安な気持ちになります。でも、詰め込んでいると、ふとしたチャンスや感動をを逃してしまうわけですね。
積極的に空き間をつくること。そして、少しずつ自分の専門以外の本を手に取って読むようにしていきます。
多様性を持てる人
読書とは、複合的な視点を持ち、多様性が認められる人間になるための有効な手段
伊藤さんは、このように述べています。僕は、この言葉を読んだときに、小説家の石田衣良さんの言葉を思い出しました。
「小説には、ビジネス書がうたっているような即効性はありません。ただ、長い間読み続けると、人生のほんとうに困ったときに役立ちます。たとえば病気の家族がいるのに遠方に赴任となった。単身赴任すべきか? それとも会社を辞めるべきか? その答えはビジネス書にはありません。しかし小説にはそのような問題に対して、悩み苦しみ葛藤している姿が描かれています。それに対して自分はどう考えるのか。それを繰り返すことで、いざというときに自分が優先したいものや選びたいものが分かります」
物語を読むことで、追体験ができる。そうすることで、自分の中に視点がインストールされる。それを大事にしていく。自分と違う考えだから、認めない。他者を受け入れ、認める感覚を養えるのが、読書です。そういった意味でも、小中学生の時にたくさんの物語に触れることは、非常に大切ですね。
心の強さ
最後に、伊藤さんは、本によって得られるのは、最終的に「心の強さ」であると述べています。夢を見つけるには、ここを掘ろうという思いとシャベルという道具、そして途中で投げ出さない心の強さが必要であると。そのためにも、努めて、たくさんの本を読み、「考える素材」を吸収して、心を鍛えよう。
複合的な視点とも繋がると思いますが、多くの本を通して、知識だけでなく、考え方を自分の中に取り入れる。そして、それを行動に移すことで、磨かれてくるのでしょうね。
まとめ
この本は、すごく分かる!
僕には、共感できる部分がたくさんありました。自分の行っている読書と同じ部分がたくさんありました。特に響いた言葉は、これです。
本を通して縦横無尽の関係が構築できること。
そして人間関係が確実に豊かになること。
僕は、月に1度職場で、「人生を豊かにする読書会」を開催しています。まさしく、伊藤さんの考えと同じです。本を通してコミュニケーションをして、よりよい関係を構築する知的な遊びの場を創造することを目的に、2年前から読書会をしています。
本は、ひとりで読んでも面白いけど、複数名で読んだ方がもっと面白いのです。今日、この本に図書館で出会えて、本当に良かったです。
今日も、読んでいただき、ありがとうございました。