何度扱っても、学びがありますよね。
例年通りなんて授業には、ないんです。
『ちいちゃんのかげおくり』の授業も無事終えました。昨年度も取り組んだ教材だから、変化をつけたい。場面読みでは、ちいちゃんの気持ちを色で表現させて、出てきた考えをワードクラウドにして、共有しました。色を追うことで、ちいちゃんの気持ちの変化が分かります。色という抽象度の高い表現に、理由を添えさせることで、同じ色を選択した子供でも、考え方が違うことに気づくことができました。
思考ツールやデジタルツールを組み合わせて、クラス全員の考えを可視化できるようになったのは、非常に大切なことです。
もちろん、発表することが苦手な子供もいます。そう言った子供の考えを拾うことができる。
これは、デジタルならではの良さです。全員参加を持ってする授業作りがしやすい環境なのです。やはり、これらのツールを駆使して、授業を創っていくことが大事なのではないでしょうか。
同じと違うを見つける
共感マップを用いて、場面ごとに読んだ後に、ベン図を用いて、比べることを行いました。
- 1場面と4場面の比較
- ちいちゃんの時代と5場面の比較
この2つを比べました。ベン図にまとめることによって、同じ所と違う所が、はっきりするわけです。
こういう時に、思考ツールは便利です。さらに、Jam board といったデジタルツールを使うと、共同編集で、行うことができます。子供たちが、Jam boardの操作に慣れていない段階だったので、今回は紙で行いましたが、経験を積んでいき、学年末にはデジタルでの思考ツールを使った活動を成立させていきます。
カラー写真でより身近に
夏休みに出会った1冊、『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦後』です。戦時中の写真は、これまで白黒のものばかりでした。この写真を見せられても、「昔の時代に起こった出来事」としてしか子供たち、そして我々も捉えることができませんでした。それが、テクノロジーの進歩によって、カラーで見ることができるようになったのです。
これは、戦時中の様子を後世に伝えていく上で、画期的なことなのです。モノクロの写真に、色が添えられた瞬間、当時の出来事が、ぐっと私たちに近づいて来ました。戦争は、教科書の中の出来事ではなく、当時自分たちと同じ年齢だった人々が体験してきたものであるというを伝えてくれました。
教室にこの本を置いていると、子供たちは興味津々で読んでいました。ちいちゃんと同じくらいの子供たちが、どのような生活をしていたのかを知りたいという気持ちで、本を開いているようでした。
青い空
ちいちゃんのかげおくりでは、青い空という言葉が、度々出てきます。作者である、あまんきみこさんは、きっとこの言葉を伝えたかったのではないでしょうか。平和を象徴する青い空。子供たちも、物語の感想文を書いた時に、この青い空について、触れていました。
ちいちゃんが、家族とかげおりくりをした青い空。
時が過ぎても、公園で遊んでいる子供たちが見た青い空。そして、今自分たちが見ている青い空。
そんな空が、ずっと見れる世の中であって欲しい。
だからこそ、最後の場面付け足したのではないか。
今年度は、思考ツールとカラー写真によって、より鮮明にその気持ちを描くことができる授業を組み立てることができたように思えます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。