眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

【読書感想文】教師としてシンプルに生きる

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読みたいと思っていた本をたまたま図書館で見つけました。岡山は、県立図書館が貸し出し冊数日本一という事で話題に挙がります。実は、岡山市立図書館も蔵書数は多いのです。さらに、借りる時に冊数制限がないのが魅力です。意外と教育書の新しいものもあるので、非常に助かります。今日は、若松俊介さんと枡野俊明さんが書かれた『教師としてシンプルに生きる』を読んで、僕が学んだことを3つ紹介します。ちなみに、若松さんは京都教育大学附属桃山小学校の先生、枡野さんは、曹洞宗徳雄山建功寺住職であり、庭園デザイナー、そして多摩美術大学環境デザイン学科教授です。小学校の先生とお坊さんの対談というところが面白いですよね。

 

①自分も成長できる

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絶対に上手くいく学級経営など本屋さんに行けば、授業実践を紹介した書籍がたくさん並んでいます。今は、ネットで検索をかければ、指導案や動画など多くの情報が手に入ります。このブログも誰かのお役に立てていれば、嬉しいです。ただ、教育とはこうでなければいけないという正解がない仕事

 

そう著者は述べています。子供を指導することで、自分も成長できる。だから、色々とやってみようという自分が主体となって動いていけるようになっていこう。

 

このような思考が持てると、教師の仕事が面白くなって来ますよね。こう思えるようになるには、教員集団の雰囲気が大切です。挑戦していこうという空気が流れていれば、その流れに乗れますが、変化を嫌う空気が流れていれば、孤軍奮闘状態ですよね。でも、研究会に所属したり、SNSを活用したりすれば職場以外の繋がりで生まれて来て、自分でやってみようという気持ちが高まるのではないでしょうか。

 

僕自身は、この考え方です。自分で色々と学んでやってみる。上手くいくこともあれば、そうじゃないこともある。修正を加えながら、改善していく。そこに面白さを感じて教師をしています。

 

②塩梅

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「個別最適化」という言葉が教育のキーワードとなっています。みんな違って、みんないい。それぞれの個性を大切にする。子供たち一人ひとりの良さを伸ばしつつ、苦手なところも克服していく。教育がカスタマイズされていくことを求める流れとなっています。もちろん、AIなどのテクノロジーを活用していきながら、個々に合ったものが提供されていくようになってくるでしょう。僕たちも、すでにニュースや買い物は、AIが判断したお薦めを受け入れているわけですから。

 

その一方で、教師に対しては未だに足並みを揃えさせる傾向が根強く残っています。子供には、個性なのに、教える側には統一を求められる訳です。僕たちだって、向いている方向(子供たちがよりよくなって欲しい)は、ズレが少ない訳ですから方法は色々あって然るべきです。なのに、やり方を統一したがる。しかも、これは出来ないからという理由で。できるようになる努力をせずに、旧態依然とした方法に舵を切る場合が多い。方向が揃っていれば、指導の仕方も塩梅によって変えられるようになって欲しいものです。

 

僕は、そこに抗うような人なので若手に塩梅を示せるように努めるようにしています。そんなことをしなくても、多様な方法を受け入れられる職場環境を作っていきたいです。そのためには、どんなことをしたいのか、子供たちにどうなって欲しいのかというビジョンを共有する時間を設ける必要があると思います。

 

③心を整える

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教師は多忙です。時間に追われて焦っていることが多いです。焦っていると、いいことはありません。「落ち着け!」と若松さんは付箋に書いて机に貼っているそうです。そのために、心を整えるということを枡野さんは仰っています。整理整頓ですね。

具体的には、教室や職員室机をきれいにするところから。さらに、給食の時間も自分でいい時間にする。自分が整えていく。整えていくことを子供たちと共有する。これが大切だと、お二人は言います。

 

確かに、追われている気持ちは常にあります。時間にも業務にも。落ち着いて取り組みたい気持ちはありますが、兎に角スピード重視で片付けていくような気持ちです。教室や机を整えることは、意識していますが、落ち着く視点が欠けていたなと思いました。僕も、「落ち着け」と書いて貼っておきます。

 

まとめ

複雑化された教師の仕事の中から無駄なことを削ぎ落とす。それは、自分が楽をするためでなく、子供が成長を阻害するようなものをです。教師の仕事、取り分け授業というものは、創造性を伴うものです。時間で区切って準備万端というものではありません。かと言って、時間をかければいいものができるわけでもありません。授業という教師のメインの仕事に対して、十分な準備時間を確保できるような革新的な業務の見直しを進めていきたいですね。

すべきことは沢山あるけど、しないでいいことに注目して、すべきことを精選していく。僕は、私立に勤務しているので学校でそこを考えていきたいです。やはり、教員が自分の魅力を発信して学校を創っていけるのが、私立の強みですもん。

 

この本を読んでそんなことを思いました。教職年数関係なく、教育に携わっている方は読むと考えさせられる1冊です。そして独りじゃなくて、グループで考えるきっかけになると思います。この本で読書会したいな。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございました。