小説を読みたいと思い、本屋さんで見つけた
重松清著『娘に語るお父さんの歴史』を読みました。「お父さんの子供の頃って、どんな時代だったの?」娘の質問を機会に、お父さんであるカズアキが自分の子供の頃を調べ、娘に語るというお話です。
「幸せ」って何?
幸せになりたい。
こういう気持ちを強く持つようになったのは、結婚してからです。そして、子供が生まれてきてからです。
結婚するまでは、「幸せになりたい」という感情は薄かったです。また、幸せのイメージは、ものが手に入るだとか、どこかへ旅行するだとか、資格が取れたというように目に見えるものだったように思えます。
結婚してからは、奥さんとの会話や子供に絵本を読んでいる時など時間や経験によって感じるものを幸せだと思うようになりました。
僕は、日々の生活の中では、もちろん辛いこともありますが、毎日今日という日は良かったなと思えて生きていけているので、幸せだと思います。
作品の中で、カズアキはこう言っています。
いまがたとえ不幸でも、未来には幸せが待っていると思えるなら、その時代は幸せなんだよ。つまり、未来が幸せだと信じることができる時代は、幸せなんだ。
子どもが未来なんだ。未来を生きるのが子どもの役目だ。未来を幸せだと信じることは、子どもが幸せになることを信じることでもあるんだよ。
そして、結論として自分は幸せな時代に生まれたんだと言っています。
自分が決める
『決めた未来しか実現しない』という本田健さんの著作もありますが、このお話の中でもお父さんであるカズアキは、未来や幸せについてこう言っています。
セイコ(娘)が自分で決めるんだ、それは。お父さんやお母さんの役目は、未来に幸せがあると信じておまえやノリコ(妹)を一所懸命育てることで、そこから先の、幸せの中身はおまえが自分でつくるんだよ。
幸せという漠然としたものの中身は自分で決めたらいい。
こう言える親や大人が増えるといいですよね。子どもが描く夢に対して、ブロックをかけてしまうのが親や周りの大人の場合はよくありますから。
期待をするのでなく、信じることの大切さを感じます。
生きるとは?
朝起きて、仕事して、帰ってきて寝る。そして、また朝起きて・・・。毎日同じことの繰り返しが生きている証拠。当たり前が続く、奇跡のつながりが生きることだと思っています。生きることは、死へ向かうことでもありますから、毎日何を失っていく。その反対に何かを得ています。
何か哲学染みたことを書いていますが、「生きる」ということを意識することが大事だと思います。
生きるというのは、覚えて、忘れて、ときどき思い出すことだよ。父でありカズアキは、こう考えたようです。
まとめ
一人ひとりには、それぞれ生きた跡=歴史があり、この歴史をたどり、我が子に語ることは大切ことだと、このお話を読んで思いました。教科書では知れない歴史から学びや気づきは大きいはず!
僕と同じ新米の父親には、オススメの一冊です。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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