ひとりでするかげおくり
ちいちゃんのかげおくりの第四場面です。
本当にひとりぼっちになってしまったちいちゃん。この場面の始まりは、こんな一文で始まります。
明るい光が顔に当たって、目がさめました。
暗い気持ちが、晴れるのではないかと、僕は思いました。ところが、ちいちゃんの容態は違います。暑いのか寒いのか分からない。しかも喉が、激しく乾いている。生死を彷徨っている状態であるわけです。
そんな中、ちいちゃんは、ひとりでかげおくりを始めます。
重なる声・・・
「ひとおつ・・・。」
ちいちゃんは、数え始めます。
すると、空から家族の声がふってきます。
「よっつ・・・。」
家族四人の声が重なります。
「とお!」
四人の影は、空へと映ります。
そして、ちいちゃんの意識も空へと上がり、空一面の花畑へと場面は変わます。
ちいちゃんは幸せなのか?
命を失ってしまったちいちゃん。
空一面の花畑で、彼女は家族と再会することなります。それを喜ぶちいちゃん。
死後の世界とはいえ、家族に会えたことが、本当に幸せだったかどうか・・・。
ちいちゃんは、幸せだった?
子供たちに、こう問いかけました。
幸せだという意見と、そうではない意見が半分に割れました。
幸せだという理由は、「花畑で、家族と会うことができたから」というものでした。
そうではない理由は、「家族と会えたかもしれないけれど、命を落としてしまったから」というものでした。
両者の理由を聞いた後に僕は、
「ちいちゃんは、懸命に生きようとしてたよね。」と言いました。
その問いかけに、頷く子供たち。
「そうなると、命を落としてしまったちいちゃんは、幸せとは言いにくいだろうと先生は考えるなぁ。」
最後に、そう伝えました。
次回は、五場面です。
この場面が描かれている意味を考えることを伝えて授業は終わりました。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございます。