目を覚ますと
ちいちゃんのかげおくりの第三場面です。
町が空襲に襲われ、何とか橋の下に避難できたちいちゃん。お母さんとお兄ちゃんとはぐれてしまい、寂しい気持ちで大勢の人の中で眠ってしまいました。
朝になりました。町の様子は、一変しています。煙が上がり、建物が燃えて、崩れてしまっています。
「これからどうしたらいいのだろう・・・」
そんな事を考えていたかもしれません。
すると、「ちいちゃんじゃないの?」
という声。何と、斜向かいのおばさんと出会ったのです。
おうちのとこ
おばさんに、お母さんやお兄ちゃんの事を聞かれて、ちいちゃんは「おうちのとこ。」と答えます。丁度、おばさんも家に戻ろうと思っていた所、ちいちゃんも連れて行ってくれることになりました。
もしかしたら、「お母さんやお兄ちゃんに会えるかも・・・」とちいちゃんは、思っていたかもしれません。
跡形もない家
戻ってみると、家は、空襲で焼け落ちてなくなってしまっていました。お母さん、お兄ちゃん、そして家まで失ってしまったちいちゃん。
第三場面において、ちいちゃんにとって困った事を考えた時に、おばさんに自分の状況を言えなかったことという考えが出ました。
そこで、こんな質問をしました。
「どうして、ちいちゃんはおばさんに自分の状況を言わなかったんだろう?」
- 心配かけたくない
- 迷惑かけたくない
このような意見が出ました。
ここから、僕は、揺さぶりをかけました。
「ちなみに、ちいちゃんって何歳くらいだと思う?」
すると、「3歳から5歳ぐらい」という考えが一番多かったです。
「それじゃあー、今で言うと、幼稚園や保育園に行っている女の子が、迷惑かけたくないとか心配かけたくないから、言えなかったんだろうか?」
子供たちは、ちょっと違うなぁと言った表情をしています。
「ちいちゃん、家に戻ってきてどんな気持ちだと思う?」
すると、多くの子供が手を挙げてくれました。
- 悲しい
- 寂しい
- 不安
などなど・・・。すると、ハッと気づいたような表情をした女の子が、意見を言いました。
ちいちゃんは、何も言えないくらい悲しくて、不安だからうなずくしかできなかったんだと思う。
他の子供たちは、「なるほどー」という顔をしていました。
ひとりぼっちのちいちゃん
おばさんもいなくなってしまい、本当にひとりぼっちになってしまったちいちゃん。ざつのうに入れていたほしいいを食べる。防空壕の中で眠る。小さな女の子が、何とか生きている様子が三場面の最後には、描かれています。
生きていられることを良いことに挙げてくれていました。本当にひとりぼっちになってしまった三場面。いよいよ次は、クライマックスの4場面となります。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。