まいごのかぎの5場面の読み取りです。
いよいよ最後の場面です。
クライマックスなので、内容も濃いですし、少し長い場面です。それ故に、面白い場面です。
もう嫌だけど、かぎ穴を見つけて
アジの干物が飛んでいきそうになり、慌ててかぎをぬいたりいこ。次々と起こる不思議な出来事に対して、最初は驚いていました。ところが、自分が、かぎを挿しこみ、回すことで起こっている出来事なので悲しくなってきてしまいます。そう、余計なことばかりしてしまう自分に対して悲しくなっているのです。
本来の目的は、拾ったかぎを交番へ届けること。早く交番に行かないと。交番までは、もう少しです。
ところが、また気になるものを見つけてしまいます。バスの時刻表です。「バス」のバに点が3つあるのです。その一つが、かぎ穴になっている。無視して交番へ行けばいいんだけど、やっぱりかぎを挿しこんでしまいます。
かぎを抜いても止まらない
かぎを回すと、時刻表の数字が無茶苦茶に動きます。変な時刻になってしまったので、いつものように慌てて、かぎを抜きます。でも、時刻表は元に戻りません。
どうしよう・・・
りいこは、立ちすくんでしまいました。こんなことをしたら、自分がお巡りさんに叱られてしまうかもしれない。不安になります。
ファ、ファ、ファーン!
遠くの方からバスが何台も連なって、りいこの方に向かってくるのです。そして、りいこの前で、まるで踊っているように動いたのです。
楽しそうに見える
りいこは、バスの動きを見て、こう思いました。なんだか、楽しそうだと。
そこで、ふと気づいたのです。さくらの木も公園のベンチもアジの干物も、好きなことをしたかったことに。
すると、バスは、踊るのをやめて、帰っていきました。そして、りいこは、見つけました。バスの中に自分が消してしまったウサギが乗っていることに。しかも、手を振ってくれている。
りいこも、嬉しくなって手を振り返しました。
余計なことなどない
この場面、りいこにとって良かったことに「自分がいいことをしたと思ったこと」という意見が挙がりました。
詳しく聞くと、かぎを挿して回すことをりいこは余計なことだと思っていたけど、バスが楽しそうに動いているのを見て、自分がしたことで喜んでもらえたからということでした。
確かに、これまで不思議なことを起こしてきたけれど、最終的に自分がした行為で、喜んでもらえた。そこに気づいたことで、自分の気持ちも変化しています。こういうところに、話が広がって、子供たちの想像力に改めて感服しました。
これで場面読みは、おしまいです。
次の授業は、物語の続きを考えていきます。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。