常識を疑え
伊坂幸太郎さんの作品が読みたくなったので、本棚から引っ張り出してきました。2014年に出版された『キャプテンサンダーボルト』です。この作品は、阿部和重さんとの合作です。
どういう経緯で、お二人が作品を創られたのかを調べてみると、KAWADE夢ムック総特集「伊坂幸太郎」に阿部さんが、エッセイを寄稿されているということが分かりました。
このムック本も持っていたので、阿部さんのエッセイを読んでみました。こちらは、2010年に出版されています。エッセイによると、伊坂さんと会食をした時に、ある約束をされたそうです。本文では、その中身は秘密と記しています。今から考えると、一緒に作品を書く約束をされたんでしょうね。
阿部さんは、伊坂幸太郎作品をこのように考えていらっしゃったようです。
虚構に虚構が積み重なって組み立てられていく、伊坂幸太郎の作品世界には、大抵なんらかの、独自のルールのようなものが設けられている。それはあくまで、当の作品世界のなかだけでしか機能し得ないファンシーなルールなのだが、そうした過激なまでに高い虚構性が、ときに逆説的に、現実社会の諸問題を鋭くえぐりだすことがある。
お二人で、創られた『キャプテンサンダーボルト』出版された時も、ドキドキしながら一気に読んだことを覚えています。それから7年経ちました。新型コロナウィルスが感染拡大をし、今オミクロン株の市中感染が報道される中、この作品が正しく現実社会の問題をえぐりだしているように思えてなりません。
読まれたことがない方は、ぜひ読んでみてください。