眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

【読書感想文】宗實直樹の社会科授業デザイン

f:id:meganenokagayaki:20210811185324j:image

年度初めに、この本と出会ったお蔭で、今年度は社会科に力を入れて教材研究を行っています。1学期も終わり、夏休みに入ったので再度読み直そうと思い、再び手に取りました。

『宗實直樹の社会科授業デザイン』

タイトルに名前が入っていますが、宗實直樹先生が書かれた1冊です。宗實先生は、関西学院初等部で教鞭を取られています。それ以前は、兵庫県姫路市の公立小学校で、勤務されていたそうです。

姫路は、僕の地元ですし、関西学院大学は僕の母校です。なので、勝手に宗實先生には、親近感を持っています。今回、読み直して僕がこの本から学んだことを3つ紹介します。

 

①見えないものが見える

f:id:meganenokagayaki:20210811204755j:image

自分も周りも幸せにできる「豊かさ」をもつ子を育てる。

これが、宗實先生の目標とする社会科のあり方だそうです。当たり前に何となく見えていた社会が、少しでも違って見えると感じる。ここが豊かさに繋がるそうです。

例えば、岡山では、3年生でブドウ畑について学習します。岡山に住む子供たちにとって、ブドウはスーパーなどで販売されている果物です。ところが、ブドウ作りは、一年を通して行われていることや農家さんの様々な工夫があって、店頭に並んでいることを学びます。農家さんの工夫や努力があってこそ、岡山のブドウができている。今まで知らなかったこと、見えていなかったことが見えた時に、感じることがあるのだろうと思います。

 

②共有化のベース

f:id:meganenokagayaki:20210811214751j:image

授業の中で、子供たちは様々な考えを発表します。

考えを繋ぎながら、その授業で習得させたいことを我々教師は、構築していきます。勿論、子供たちの理解は、一人ひとり違います。ただし、考えを共有する時には、「全員理解させたい」という教師の覚悟が必要であると、宗實先生は書かれていました。

そして、この共有する時に最も大切な事は、安心感だと言います。間違えても大丈夫、どんなことを言っても受け止めてくれるというクラスの状態が、共有に繋がるそうです。確かに、正しい事を言わないといけない。というような雰囲気だと、当たり障りのない考えしか出てきませんよね。ここは、社会科に限らずに、クラス運営として大切な視点です。

考えの共有に時間を充てる事は、僕自身今年度のテーマに掲げていることなので、タブレット端末を活用して、より良い共有化を模索していきます。

 

③アンテナをはる

f:id:meganenokagayaki:20210811211653j:image

教材を見つけるためにアンテナをはることの大切さを宗實先生は、書かれています。宗實先生は、3つのアンテナをはっているそうです。

  1. 切迫した状態で働くアンテナ
  2. 何となくいつか教材にできそう
  3. 直感でおもしろい

気になったことは、写真やメモ、録音などとにかくデータに残すようにされているそうです。大事な事は、自分がワクワクするかどうかということです。

テレビで見たニュース、たまたま読んだ本、街を歩いていて見つけたものなど、自分が普段目にしているものを意識していると、教材になろうるものがたくさんあると言うことです。国語の大村はま先生も同じようなことを書かれていました。情報をキャッチする感度を高めておくことの大事さを宗實先生も語られています。

 

まとめ

宗實先生は、ご自身がされてきた社会科の授業づくりを一つひとつ丁寧に綴られています。ご本人もおしゃっていますが、そこに目新しいものはありません。ただ、自分も周りも幸せにできる「豊かさ」をもつ子を育てるという思いを一歩ずつ積み上げてきた記録が記されています。ここから学ぶことは、非常に多いです。僕自身、15年以上教師をしていますが、できていないことの方が多く、恥ずかしいと思うと共に、これらのことを実践して積み上げていきたいという思いになりました。そして、今年度は、社会科の教材研究を重点的に行っています。1学期には、市の様子、ブドウ畑の学習を行い、まとめ方や共有化の工夫を行うことができました。この本は、社会科の授業づくりの教科書として、多くの先生に読んで欲しい1冊です。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございます。

 

(追伸)こちらは、宗實直樹先生のブログです↓