眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

今年の集大成

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先週、学園内公開授業を行いました。

学園内公開授業とは、こども園・中学校・高等学校・短期大学・大学・大学院に向けて授業を公開している2週間です。今年で、3年目となります。教職を学ぶ学生も参観できるので、時間帯によっては、40名を越える参観者もいる授業もあります。僕は今年度、社会科の授業を公開しました。

児島湾の干拓

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今年度は、「伝統文化と先人の働き」という単元から、「海を陸地に」という学習を公開しました。4年生の社会科では、自分が住んでいるところ、勤務校の場合は岡山県のことを学習していきます。ここでは、児島湾の干拓に関する歴史と、そこに住む人々の生活について学習していきます。

 

勤務校の今年度の研究テーマの中に、探究型の学びという言葉がありました。ここに焦点を当てて、授業を組み立てることになりました。

 

そこで、江戸から昭和という長い年月をかけて、児島湾の干拓が完成します。その中でも、最も干拓が進んだ江戸時代に注目しました。

さらに、それを推し進めた津田永忠という人物を探ることに意味を見出して授業を組み立てました。

 

これは、人物史ということになります。6年生の社会科では、歴史学習を人物から見ていくので、その先行学習とも考えてプランを立てました。

津田永忠を広く知ってもらうには

岡山に住んでいる人でも、津田永忠について知っている人は、僅かです。後楽園や閑谷学校百間川や倉安川など現代にも残る大切な施設を作った人物なのに、あまり知られていない。そんな津田永忠を知ってもらうには、歌を作るのがいいのではないか。そんな軽い気持ちから、津田永忠の功績を讃える干拓ソングを制作することを思いつきました。

 

授業準備をしている時に出会ったのが、一般社団法人岡山藩郡代津田永忠顕彰会のサイトです。この団体は、津田永忠の功績を伝えるために、デジタル紙芝居を作成してYouTube へアップロードしていました。また、津田永忠がつくった百間川、倉安川が世界灌漑施設遺産に選ばれたことも紹介されていました。

 

そこで、顕彰会に連絡を取り、サイトにアップロードされている写真とYouTubeにあるデジタル紙芝居を授業で使用したいことを尋ねてみました。

 

暫くすると、返事が来ました。

どちらも許可をいただき、有り難いことに津田永忠に関する資料についても教えていただきました。

 

学びがつながる

話ががらっと変わりますが、内村鑑三著『代表的日本人』を友人と一緒に読んでいました。

この本では、西郷隆盛二宮尊徳上杉鷹山中江藤樹日蓮上人という5人の人物が紹介されています。読まれたことがありますか?

この書籍で大切にされているのが、陽明学です。中江藤樹を初めてとして、この学問の考え方を中心に内村鑑三は、人物を紹介していると言っても過言ではありません。

 

そして、津田永忠もまた、熊沢蕃山から陽明学を学び、実践した人物です。ちなみに、岡山藩は、陽明学の教えを大切にしてきました。

 

デジタルの力を活用


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話を授業に戻します。

公開授業では、「津田永忠の人柄や行ったことをまとめよう」というめあてで、まずは江戸時代の干拓を振り返りました。次に、デジタル紙芝居を視聴しながら、津田永忠の人柄を調べました。この2つをもとに、「津田永忠新聞」をCanvaで作ることにしました。ここからが、デジタルの力の見せ所です。新聞を仕上げた後は、Canvanの機能のひとつであるAIを使った変換。これを使えば、新聞で書いた内容から歌詞に変換してくれるのです。テクノロジーの進化は凄まじいものです。子供たちも参観されている方も驚いていました。

それからそれから

子供たちが作った歌詞に音楽をのせる活動は、音楽の授業で行うことにしました。音楽を担当している先生にも協力いただいています。こういうのが、教科横断的な学びになるのでしょうか。プロジェクトとしては、子供たちもそして私自身も楽しんでいるので、津田永忠について興味を持って学ぶことができました。

「公開授業のため」というような意識はあまりなく、面白い学びを創っていきたいから、組み立てているのです。どうやら、この考え方を持っている方が少数派のようです。

 

何はともあれ、新しい授業を提案できた自負はあります。ここから次に繋げる授業を現在練っている最中です。面白い授業を創って行く仲間を増やすために尽力します。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございます。