眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

社会科と探究学習の相性

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今年の夏休みは、探究学習と社会科について探っています。本を読んだり、研究会に参加したりしながら、自分の考えを固めている段階です。「社会科の単元構成自体が、探究サイクルになっているが、もっと子供に委ねた授業展開へ舵を切るには、どのようにすればいいのか」という僕の問いを解決するために、追究をしています。

それでは、校内研究の時間でも紹介されているキャス・マードックの「探究サイクルモデル」と東京書籍の社会科の教科書を比較しながら考えていきます。ここからが、僕が夏休みに探究している内容となります。

①Tune in &つかむ

教材との出会いです。子供たちの興味、関心を惹きつける写真や動画を提示して、「なぜ、どうして」をできる限り出させるように仕組む必要があります。ここから、子供たちと一緒に大きな問い(社会科では学習問題)を生み出すわけです。出会いの演出をするために、教材研究をするといっても過言ではない。そのくらい、はじめの一歩は、大切だと思います。なお、子供たちの「なぜ、どうして」を可視化する意味でも、思考ツールを活用するのが、有効だと考えます。

②Find Out &調べる

問いを解決していくために、情報を集める。教科書や副読本、資料集といった用意された資料。図書室で見つけた本やインターネットで発見したサイト、見学などをした時に貰えるパンフレットや直接伺った話など自分たちで獲得した資料。解決に向けて、資料を読み込んでいきます。たくさんある情報の中から、自分に必要な情報を取り出す。資料の読み取りを通して、読解力を養うという視点を持っておくことが大切です。

③Sort Out&まとめ

集めた情報をまとめる。まとめるとは、単に調べた情報を列することではありません。情報を整理したり、比較したり

しながら、問いを解決するための自分の考えを構築することです。情報に意味づけをすると言ってもいいでしょう。ここでも、思考ツールが非常に役立ちます。社会科の場合、白地図に書きこんだり、年表や新聞にまとめたりする活動がありますよね。学習問題を解決する方法として、地図や年表、新聞にまとめるという方法です。学習問題を解決することが、目的なので、その方法は何でもいいわけです。目の前の子供たちの実態に合わせてまとめる方法を考えましょう。

④Go Further &いかす

問いの解決は、③の段階で終わりです。ここでは、そこからもう一歩深めることを意識します。この部分が、新たな探究の始まりと言えます。深める方法として、2つの方法を紹介したいと思います。

1つ目は、立場を変えるです。調べるという情報を受信することによって、得たことを発信する側に立って考えるということです。スーパーマーケットのことを学習したなら、自分が考える最高のお店づくりをする。歴史上の人物のことを調べたのなら、人物を紹介するポスターやCMを作成する。創造性を育めるような課題を設定しましょう。

2つ目は、対象を変えるです。同じことでも、場所が違う、時代が違うなど対象を変えて調べて、まとめていきます。それを比較することで、また新しい発見が生まれるものです。知識の横への広がりが生まれてくるでしょう。

 

このように、探究サイクルモデルと社会科の学習過程は、非常に似ています。だから、教科書に沿った授業を展開するだけで、探究学習が成立すると言っても過言ではありません。ただし、教材が子供たちにとって解決したいものであるためには、身近な教材を作っていかねばならないでしょう。そして、教え込むのではなく、子供たちが自ら調べて発見するように育てていく必要があります。つまり、社会科においては、私たち教師は教材の開発に力を注ぐこと。そして、学び型を多様にできるように授業をプロデュースすること。この2つを探究していくことが求められるのではないでしょうか。研究授業では、学び型を考えるよりも教材や授業の展開が注目されがちです。単元全体で、どのような学び型をデザインするのかについて焦点を当てていきたいですよね。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございます。