眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

第三の書く

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「第三の書くって何だろう?」

Facebookのタイムラインで流れてきた広告を見て、思ったことです。サブタイトルには、読むために書く 書くために読むとなっています。

とにかく、書く指導に関する書籍であること。

そして、復刻版と書かれているので、古い本という事は理解して購入しました。

 

第三の書くとは

学校教育において、書くことの指導といえば、書写作文になります。書写は、文字を正しい形で書くこと。小学校3年生から毛筆が始まりますので、書写は習字と捉えている方もいらっしゃるかもしれません。書写は、教科書もあります。光村図書のサイトには、こう紹介してあります。

学習指導要領を見てみると,書写に関する事項は,国語科の〔知識及び技能〕の「我が国の言語文化に関する事項」の中に位置づけられています。そこでは,一言でいえば,「文字を正しく整えて読みやすく(中学校ではそれに加えて速く)書くことができるようになる」こと,いわゆる「書写能力」を身につけることが求められています。

一方、作文は、国語の教科書に書く単元が系統立てて掲載されています。説明する文章の書き方や感想文の書き方、手紙や案内状の書き方、物語文の書き方など様々な文章の種類の書き方を学ぶように構成されています。ただし、書く指導は、読む指導比べて軽視されがちです。それは、指導がしにくいと感じられているからです。

この本では、書写を第一の書く、作文を第二の書くと定義しています。そして、第一と第二を繋げて支える活動を第三の書くとしています。

例えば、視写・聴写・メモ・書き抜き・書替えなど学習における聞くことや話すこと、読むこと、言語事項の学習を支えるものとして、指導していく重要性が書かれています。

 

書くことの大切さ

書き写す、聞いてながら書く。

これができないと、ノートは書けません。

また、ノートが書けたとしても、ノートを書くことで精一杯となってしまい、授業の中で思考する機会が減ってしまいます。低学年のうちから、視写と聴写やメモの力を伸ばすように指導していく必要性があります。

その次の段階が、自分の考えを文字にする。

それを繋ぎ合わせていくのが、作文ということになります。原稿用紙にいきなり書くのは、殆どの子供ができません。やはり、段階を踏んでメモを作り、下書きをして清書をする。ステップを作って指導するのが、書く指導です。

 

読むために書く 書くために読む

現行の国語の教科書では、物語文を読んだら、感想を書いたり、その続きを書いたり、視点を変えて書き替えるなどの読むと書くがセットになった構成がなされています。これは、正しく書くために物語文を読んでいるように思えます。また、内容を理解するために主人公の気持ちを書いたり、自分の感想の変化を書いたりするのは、読むために書いていることになります。

 

まとめ

この本は、1986年に発売されたものです。30年以上の時が過ぎ、ここで記されている内容が今求められているように思えます。そして、先輩の先生方が、日々の授業で実践されてきたからこそ、教科書の構成も変わってきたのだと思います。今読んでも、新しい。『第三の書く』からこのようなことを感じました。

 

 

復刻版 第三の書く

復刻版 第三の書く