眼鏡のカガヤキ☆

眼鏡を通して見えるキラキラした日常をお伝えします。岡山で小学校の先生をしている僕が、授業実践や読んだ本・好きな音楽・子育てについてキラッと輝くことをお伝えするブログです。

【読書感想文】Neo Classroom

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連休も終わりを迎えています。

岡山は、激しい雨が1日中降っています。

今年は、カレンダー通り休みでした。

休み中に、1冊読むことができました。

小野領一著『Neo Classroom』です。

今日は、この本から学んだことを3つ紹介します。

 

①共主体

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主体性があるのかどうか。

そもそも主体性とは、「何をすべきか決められていないこと」に対し、自分の意志・判断により自ら責任をもって行動する態度や性質のことを指します。

最近では、子供たちの主体性を重視することが求められがちです。教師主導の一斉授業に対する批判が、その一例です。しかし、全てを子供たちに任せることで、ゴールに辿り着けるでしょうか。

 

私たち教師は、教育のプロです。プロである以上、教育や授業のゴールイメージを明確に持っておかねばなりません。そのゴールに向かって、子供たちを導いていく。これが、教師の仕事です。この形を教師主導型教育というかもしれませんが、子供たちがゴールに辿りつけるのであれば構わないのではないでしょうか。主体が誰になるのか。そこが問題ではないのです。

 

私たち教師も、子供たちをより良いゴールへ導くために、教育や授業に対して主体的に考えて、実践していくことが大切なのだと、著者は述べています。

 

子供にだけ主体性を求めるのでなく、教師にも主体性が発揮できる環境を整える。子供たちには個性を活かしてという割に、教師は足並みを揃えることを求めます。また、〇〇スタンダードという授業のきまりを一方的に押し付けて、教師の考える幅を奪っているようではいけないのです。

 

子供も教師も、互いに主体性を発揮していく。

そんな場が、学校であって欲しいものです。

 

②やわらかい学級

著者が目指しているのが、「やわらかい学級」だそうです。やわらかい学級とは、全員がゆるやかにつながっている。そして、個性が活きており、楽しく学ぶことができる学級だそうです。

 

学校には、多くのきまりがあります。学校の先生は、真面目な方が多いので、そのきまりを子供たちに守らせるために、躍起になって指導します。きまりの中には、よく分からないものもあります。しかし、クラスの子供たちにきまりを守らせていないと、「自分が指導力がない」と思われてしまうと思い込み、必死になって指導します。ところが、きまりが守れない子どもは、一定数存在するのです。それに対して、声を荒げて厳しく言ったところで、余計に反発を喰らうだけのことです。それを続けることは、自分自身のメンタルがおかしくなります。常にイライラしている状態では、上手く学級経営ができるわけがありません。

 

著者がやわらかい学級作りのために、心掛けていることは、3つだそうです。

  1. 注意はするが深追いはしない。
  2. 他人が迷惑だと感じることはしない。
  3. 子供たち同士で注意を出来るだけさせない。


学校にあるきまりって、理由がよく分からないものがたくさんあります。全てに対して、理由を説明する必要はありませんが、「どうしてそのきまりがあるのか」ということを子供たちと考えることも必要でしょう。「きまりだから守れ。」こう言われて守ることができるのは、一定数です。教師になっている人の多くは、こちら側の人でしょう。

「どうして、こんなきまりがあるのだろう?」という疑問を持つ人もいます。ここに寄り添い、考える場を設ける。理由がはっきりすれば守ろうとする子供もいるでしょうし、よく分からないものは、改訂していけばいいのです。これも学びだと思います。

 

③秩序・楽しさ・自己選択

著者が、やわらかい学級を実践していく上で、大切にしているのが、秩序・楽しさ・自己選択の3つだそうです。

 

まずは、学級内の秩序を整える。これは、厳格にきまりを守らせるというものではなく、2つで述べたような形です。シンプルなもので、命に関わること、いじめにつながることは絶対に許さない。そして、他人を傷つけていないか、自分を大切にあいているかという視点を大切にしているということです。

 

そして、秩序の上に、学ぶことの楽しさ。ここを感じさせる。学びに遊びの要素を取り入れていくというものです。僕もよくやることですが、問題をミッションと名付けて、ミッションクリアを目指そうと子供たちに言う。同じことでも、ミッションという響きだけで、子供たちはワクワクします。ICTの活用も楽しさを増すために必須ですよね。

 

さらに、自分で選択させる。

これが、最も大切ですね。僕自身、今年度一番力を注いでいるところです。課題を選択させる。方法を選択させる。様々なことを自分で選んで決める機会を設ける。これが、やはり大事なのですね。

 

まとめ

著者が掲げている「やわらかい学級」作りをずっと、心掛けてきました。こうやって、自分がやってきたことや自分の理想とするクラスを言語化してくれる1冊に出会えたことは、非常に嬉しいです。

そして、これを実現すべく、もっと深く学ばないといけなしでしょうし、色んな方と交流して違った考えに触れたいです。そして、自分の学級づくりを体系化していく。きっかけを与えてくれた本でした。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございました。